真宗大谷派蓮信寺

今月のことば

このことばに遇う。

2026年8月

重い墓石の下へはゆかぬ
縁ある人々のこころの中が 私のすみか

― 榎本栄一

ことばに寄せて

人は亡くなったら何処へ行ってしまうのか。誰しもが抱く疑問ではないでしょうか。お釈迦さまは死後のことについて、「あなたたちの人生に関わりの無いことだから」と、何もお答えにならなかったと伝えられています。

亡くなった方々の行方は、縁が深いほど気になるものです。お墓を前に様々な思いがこみ上げてきます。しかし、その思いはお墓からやって来るのではありません。自分の心の中から、数々の思い出を通して、自然と湧き上がってくるものです。お参りをきっかけに、いつも私と一緒にいてくれている、大切な仏さまの存在にふと気付かされます。

約二十年前、秋川雅史さんの『千の風になって』という曲が流行りました。『私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません』という歌詞に、ご門徒さんから良く問いかけがあったのを覚えています。亡くなった方は、お墓の中で眠っているわけではなく、風のように吹きわたっているわけでもありません。我々は浄土に生まれて往くのです。

そして、亡き人が還られた浄土から、私たちはずっと願われているのです。日々の生活の中で、私にかけられた仏の願いに立ち返っていくことは大変尊いことです。そんなことを感じながら今年もお盆を迎えたいと思います。

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